2013年4月12日金曜日

ドラマ「最高の離婚」BGMについて その2 バイオリニスト

ドラマの放送は終わってしまったけど、サントラは発売中ですのでDVDが発売予定の7月までの間「最高の離婚」を音楽で楽しんでください。

パリ録音の準備の手始めはミュージシャンを誰に頼むかという事でした。単に音楽用(?)CDを作るためにマヌーシュ・ジャズのレコーディングをするのではなく、劇伴の音楽としてドラマの中でセリフと共存させる事が最大の目的。となるとミュージシャンの選択もそれに影響してくる。こういう時にYoutubeとfacebook、それと頻度は少ないけどLinkedInはすごく便利。それでコンタクトしたのが、バイオリニストのDaniel John Martin。彼をYoutubeで見つけた。近年のマヌーシュ・ジャズを聞き慣れている人はうなずいてくれると思うが、このジャンルは楽器編成も使用されている楽器も軽く50年以上(もっと長いけど)全く変わっていない。そうするとジャズの進化もそうなんだけど、一つのジャンルの中で新しい事をしていこうとするとテンポが速くて超絶技巧になっていくというのが世の常。マヌーシュ・ジャズも当然のようにハイテク化していく。最近の新録音のマヌーシュ系インストのほとんどがかなりのハイテンポ。当然ドラマ、特に最高の離婚のようにセリフの多いドラマとは相性が良くない。Youtube上で様々なバイオリニストを探した。ダニエルが最初に目に留まり、他のバイオリニストも何人もチェックしたんだけど、次の日でも記憶に残ったのがダニエルだった。それは彼がライブ中にボーカルもとるからだった。だから彼のバイオリンも(勿論どのバイオリニストも歌心はあるんだけど)歌うような節回しというか、とにかく滑らかな感じがした。それもテクじゃなくて歌のように直接心に入ってくるような感じで。


それとアドリブパートの組み立て方(本人はただ自然にやってるだけだと思うが)が素晴らしい。アドリブパートって何が大事かって最初の入り口と最後の結び。ここがすごくメロディアスだと劇伴でもすごく助かる。


サントラCDに、バイオリンとアコーディオンのデュエットバージョンが収録されているんだけど、それは当日その場でリハなしに弾いてもらったテイク。普段からいっしょに仕事をしているダニエルとアコーディオンのLudoとは言え、二人とも言語レベルで音楽のコミュニーケションが可能な二人だからこそレコーディングできたバージョンだと思う。特にエンディングはモニターしながら「これどうやってまとめるんだろ??」と凄く期待し、なおかつ作家冥利につきる10数秒だった。二人で目線は合わせていたけど、僕がテンポ感を伝えただけで、譜面やメモ書き、こうやって終わろう〜なんて会話は一切なしで録音始めて、素晴らしいエンディングを披露してくれた。マイク・チェックとテンポの確認のために途中まで弾いたテイクもあったけど(今回のレコーディングも何も言わずにほっとくと皆どんどんテンポが上がって音数が増えるw)、CDに収録されてるのが事実上ファースト・テイク。素晴らしかったのでファーストテイクで終了。自分の曲をここまで膨らませてくれるならもう数回聞きたいところだったけどねw。


ダニエルに最初にコンタクトをとって、他のミュージシャンを紹介してもらった。レコーディングの前に全てのミュージシャンとfacebookでやりとりして自己紹介を済ませ、中にはfb上で共通の友達が見つかったりして、そういう事も事前の大事な準備の一つだね、最近は。


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