2013年7月27日土曜日

天魔さんがゆく

既に第2話までの放送が終わりましたが、福田監督ドラマの音楽を担当しています。オープニングは堂本剛さんの作曲で僕の楽曲ではないのですが、ドラマの中の音楽は僕が書きました。テーマ曲にはオンドマルトノの音色を使いたかったので、勿論、原田節にお願いしました。過去にバトスピやコドモ警察のテーマ曲でもご一緒した事があります。今回テーマ曲以外にも「日本の怪談系の感じ」でお願いします、と譜面に書けないような事もアドリブしてもらいました。そうそうお化けが天国へ昇天するシーンに付けてる曲のメロディーもオンドマルトノをフューチャーしてます。

2013年7月12日金曜日

アナログ盤、ヴァイナル、レコード

本日情報解禁になりました。「HK/変態仮面」のアナログ盤が発売される事になりました。焼き鳥以外に事務所に決してワガママを言わない僕ですが、これは出してくれないと事務所を辞めると泣きわめいてリリースしてもらえるように尽力してもらいました。内容はCD盤と同じですが、アナログ盤ですので、A面からB面へひっくり返す事ができます。つまり変態仮面から偽変態仮面へ、あの「内側を外側に向けて被っている!」を疑似体験できる事ができます。甘美なヴァイナルの匂いが実体験できます。というわけでプレイヤー持っていない人も是非!
http://tower.jp/article/news/2013/07/12/n14/?kid=psmtwmde

2013年7月11日木曜日

「HK/変態仮面」サントラ発売

ヤッホ〜!明日12日にサントラが発売になります。書いてる時はサントラの事を考える余裕は全くなかったけど、サントラがリリースできて非常に嬉しい。なにしろ時間も予算もなくて、おまけに編集がなかなかロックされなくて最終的には延べにすると4〜5日しか時間がなかった。このサントラのためにProToolsのデータを再び開いてサントラ用に幾つかのトラックを復活させたりしたけど、作曲作業の最後の二日間のバックアップやファイル名の付け方の雑な事ったら、、、普段「徹夜自慢している作曲家はアマチュア」とか言って周りから批判されたりしてる僕ですが、この仕事の最後の二日は徹夜した。

サントラ・スペシャル・パッケージの付録の福田監督との対談の中でも触れているんだけど、僕と福田監督は周囲の人が想像するほどちゃんと話をした事がない。ヨシヒコの時も音楽のために直接打ち合わせした記憶がないし。HKも打ち合わせなしで作業を始めた。さらに当初予算の都合でサントラのために1曲だけ書き下ろす予定だったけど、上がって来たきたオフライン映像の面白さが半端なくてどうしても全部書きたくなってしまった(この気持ち、映画観た人は分かると思うけど)。全曲書きたい旨を事務所に相談する時間もなく(だってそこから制作サイドに話が行って返事が帰ってくるのを待ってたらどうしたって締め切りすぎちゃうようなスケジュールだったし)、予算がないので、作曲、アレンジ、打ち込み、ミックスまで全部やらなきゃいけなかったしで。というわけで普段にも増して孤独な作業(と言う割に結構楽しんで書いたけど)の4日間だった。

そんなスケジュールだったので、僕がミックスしたトラックは曲毎のバラツキがかなりあって、今回サントラのマスタリングをしていただいたTHE MASTERの宮本さんにはほんとにお世話になった。マスタリング作業は毎回ありがたい作業なのだが今回は格別に助けてもらったし、宮本さんの技の凄さを目の前で見せつけられた。

映画製作開始当初はサントラの予定がなかったのだが、僕のわがままに付き合って頂いた制作委員会、タワーレコード、そして事務所のスタッフの皆様、どうもありがとうございました!

2013年6月18日火曜日

映画「俺はまだ本気出してないだけ」

映画「俺はまだ本気出してないだけ」で期せずして堤真一さんの歌手ビュー曲を作曲させて頂く機会を得ました。本人が舞台挨拶で音痴だと自らおっしゃってましたが、音程はそうだとしてもあの歌い回しは本人が自分で演出されているし、誰かがカラオケで「大黒シズオ」のマネをして成立するキャラを歌に込める事ができるというのは、やっぱりスゴイ事なんですよ。映画も原作のマンガファンを裏切る事のない面白いできです。iTunesで期間限定でダウンロード販売なそうです。

2013年4月12日金曜日

ドラマ「最高の離婚」BGMについて その2 バイオリニスト

ドラマの放送は終わってしまったけど、サントラは発売中ですのでDVDが発売予定の7月までの間「最高の離婚」を音楽で楽しんでください。

パリ録音の準備の手始めはミュージシャンを誰に頼むかという事でした。単に音楽用(?)CDを作るためにマヌーシュ・ジャズのレコーディングをするのではなく、劇伴の音楽としてドラマの中でセリフと共存させる事が最大の目的。となるとミュージシャンの選択もそれに影響してくる。こういう時にYoutubeとfacebook、それと頻度は少ないけどLinkedInはすごく便利。それでコンタクトしたのが、バイオリニストのDaniel John Martin。彼をYoutubeで見つけた。近年のマヌーシュ・ジャズを聞き慣れている人はうなずいてくれると思うが、このジャンルは楽器編成も使用されている楽器も軽く50年以上(もっと長いけど)全く変わっていない。そうするとジャズの進化もそうなんだけど、一つのジャンルの中で新しい事をしていこうとするとテンポが速くて超絶技巧になっていくというのが世の常。マヌーシュ・ジャズも当然のようにハイテク化していく。最近の新録音のマヌーシュ系インストのほとんどがかなりのハイテンポ。当然ドラマ、特に最高の離婚のようにセリフの多いドラマとは相性が良くない。Youtube上で様々なバイオリニストを探した。ダニエルが最初に目に留まり、他のバイオリニストも何人もチェックしたんだけど、次の日でも記憶に残ったのがダニエルだった。それは彼がライブ中にボーカルもとるからだった。だから彼のバイオリンも(勿論どのバイオリニストも歌心はあるんだけど)歌うような節回しというか、とにかく滑らかな感じがした。それもテクじゃなくて歌のように直接心に入ってくるような感じで。


それとアドリブパートの組み立て方(本人はただ自然にやってるだけだと思うが)が素晴らしい。アドリブパートって何が大事かって最初の入り口と最後の結び。ここがすごくメロディアスだと劇伴でもすごく助かる。


サントラCDに、バイオリンとアコーディオンのデュエットバージョンが収録されているんだけど、それは当日その場でリハなしに弾いてもらったテイク。普段からいっしょに仕事をしているダニエルとアコーディオンのLudoとは言え、二人とも言語レベルで音楽のコミュニーケションが可能な二人だからこそレコーディングできたバージョンだと思う。特にエンディングはモニターしながら「これどうやってまとめるんだろ??」と凄く期待し、なおかつ作家冥利につきる10数秒だった。二人で目線は合わせていたけど、僕がテンポ感を伝えただけで、譜面やメモ書き、こうやって終わろう〜なんて会話は一切なしで録音始めて、素晴らしいエンディングを披露してくれた。マイク・チェックとテンポの確認のために途中まで弾いたテイクもあったけど(今回のレコーディングも何も言わずにほっとくと皆どんどんテンポが上がって音数が増えるw)、CDに収録されてるのが事実上ファースト・テイク。素晴らしかったのでファーストテイクで終了。自分の曲をここまで膨らませてくれるならもう数回聞きたいところだったけどねw。


ダニエルに最初にコンタクトをとって、他のミュージシャンを紹介してもらった。レコーディングの前に全てのミュージシャンとfacebookでやりとりして自己紹介を済ませ、中にはfb上で共通の友達が見つかったりして、そういう事も事前の大事な準備の一つだね、最近は。


2013年2月12日火曜日

映画「コドモ警察」試写会

昨日は映画「コドモ警察」の関係者試写で、砧の東宝スタジオに行ってきました。公開は3月20日なのでもうすぐですね。試写室で僕の隣席が上地春菜だったんで、後で写真を一緒に撮ってもらいましたw。福田監督のドラマ・映画は全部そうですが、アドリブでやっているような芝居もかなりの割合で台本通りなんです。上地さんがまるでアドリブでやっているような部分もやっぱり台本通りなんです。でもそれは役者に相当の技量がなければできない事ですよね。音楽に置き換えてみても、その場のアドリブだと思っていたソロが実は全部書譜だったら、、、ね。どちらにしてもそれがアドリブかどうかなんて作品として観た場合はどちらでも良い事です。完成度が高ければ(自然に聞こえれば)書譜であろうとなかろうと。僕は全く練習しないで素晴らしいミュージシャンになれた人を目の前で観た事がないんです。であれば、そのミュージシャンの表現している音は全て過去の練習の積み重ねですからね。そういう意味では100パーセントのインプロビゼーションってほんとうにあるのかというと多分ないと思います。確かに共演する相手との化学反応はあるでしょうけどね。

2013年2月6日水曜日

ドラマ「最高の離婚」BGMについて その1 ギタリスト

ドラマの中で使われている音楽のマヌーシュ・ジャズ(またはジプシー・ジャズとも呼ばれる)は12月の初旬にパリで録音してきました。僕宛のメールでドラマで使われている音楽でギターを弾いてるのは僕か?と問い合わせがいくつかあったんだけど、残念ながら僕ではなく、Sammy Daussatです。デモトラックでは自分で弾いたんだけど、この手の音楽はやっぱり本場で録音しないとシズル感が出ません。名人の余裕の演奏がセリフの邪魔にならず、なおかつ芝居に軽快な感じを添えてるんです。

日本ではガムシャラに弾いたり、眉間に皺を寄せながら演奏しているミュージシャンが好まれる傾向があるように感じるけど(それでお客さんが楽しんでいるならそれでいいんだけど)、そういう演奏ではテンポが遅かろうが、音数を減らそうがやっぱりセリフや芝居の邪魔になると思う。

Sammyはリズムは抜群に正確で、なおかつ明るいグルーブがあって、それがマイナーチューンでも暗くならない理由だと思う。マヌーシュ・ジャズの一般的な楽器構成にはドラムは入らないので、ギタリストがドラムの役割を担うんです。だからギタリストが二人いる編成も珍しくないし。Sammyのギターがどこのメーカーかは覚えてないけど、ピックは割と普通の暑さだった。僕がマカフェリタイプのギターを弾くときは、2mmから4mmの厚さのピックを使ってる。Sammyのは多分1mmの日本で良くみるドロップ型のピックだった。

ドラマの予告編用にテーマ曲の編集をしたんだけど、Sammyのトラックはグリッド(DAWの小節単位の境目)に合わせてハサミをパンパンと入れて出来上がり。普通は編集した後に波形の頭が欠けたりする事もあるので微調整するんだけど、彼のトラックそれほど正確。でもドラマの中で聞こえる音楽を聞けば分かると思うけど、別に機械的、、、って感じじゃないでしょ?

順次他のメンバーの事にも触れます。

2013年2月5日火曜日

ベティー・ブルー

25周年記念のBlu-rayが発売になったので買いました。この映画はほんとに好きです。ベネックスが最近どうしてるかは知らないけど、ず〜っと新作を期待してる監督の1人です。

DVDで持ってる他の作品もBlu-rayになるといいけどなあ。特に「ロザリーとライオン」はDVDにもなってないので第一希望ですね。

2013年1月26日土曜日

Blogまた始めますけど。

以前もブログを書いていた事はあるんだけど、仕事の性質上書けない事も多くて。でも最近CMの仕事はあまりしてないので、CMの事以外は書けるかな、、、と。

CMの仕事の話をTwitterやfacebookに書いてる同業者もいるけれど、本来は守秘義務があるのでクライアントの了解をもらわないといけない。たまにフライングしてオンエア前に「今日◯◯のレコーディングでした!」なんて書いてる人いるけど、CMを打っている企業はほとんど上場してたりするから、新製品(CMってだいたい新製品でしょ?)に関する話って株をやっている人にとってはかなり貴重な情報なので、そういう情報を人に渡すという事はインサイダー取引に引っかかるんだよね。なのでCMの仕事に携わる人は株取引やらないのも暗黙の了解。

と、いきなりこんな話から書き始めたけど、適当に徒然書いて行きます。